生理

女の子
生理痛の薬ってあんまり飲んではいけないと聞きましたが本当ですか?
院長
生理痛は、子宮を収縮させて経血を外に出す時に起こる痛みです。大半の女性が生理痛を体験しているはずですが、とくに20歳前後までの時期は症状が強く現れがちです。それは子宮の発育が未熟なため、経血の通り道である子宮頚管が狭く硬いので、押し出されるときに痛みを強く感じられるからです。

また、経血を外に押し出すために、子宮内膜からプロスタグランディンという物質が分泌されますが、この量が多いと、子宮や血管の収縮が強くなり痛みの原因になります。痛みのもとになるプロスタグランディンの分泌は、生理の1週間ほど前から始まり、生理前にピークを迎えます。そのため痛みがおこってから鎮痛剤をのんでも、その時点でプロスタグランディンが血液中に放出されているので、薬が効かないこともあります。生理の2〜3日前から鎮痛剤をのみはじめることで、生理痛を上手にコントロールすることができますから、うまく使ってください。

ただし、単に痛みが強いだけの場合と、元に病気(子宮内膜症など)のある場合がありますので、一度婦人科を受診して、痛みの背景に病気がないことを確認しておく必要があります。




女の子
月経の前にイライラしたりするのはどうしたらいいの?
院長
それは月経前症候群の症状のひとつと考えられます。月経前症候群とは生理の前になると決まって現れる心や身体の不調のことをいいます。

月経前症候群の症状は実にさまざまですが、大きくいうと、心のトラブル(イライラする、落ち込む、不安になる、摂食異常、無気力など)、身体のトラブル(乳房がはる、腰痛、下腹部痛、便秘、下痢、頭痛、肩こり、むくみなど)、行動面のトラブル(集中力の低下、人づきあいが悪くなる、家族や友人に当たる、衝動買いなど)の3パターンに分けられます。ただし、その現れ方や程度にはかなり個人差があり、いくつもの症状が重なってあらわれる人がほとんどです。多くの場合、心理的な落ち込みに身体の不調が加わるので、余計につらさが増してしまうようです。

原因はいろいろ言われていますが、女性ホルモンのバランスの急激な変動に、脳の中枢(視床下部)が対応しきれなくなり、さまざまな不調が起こるというのが有力な説です。視床下部はホルモンと同時に自律神経の中枢でもあるので、視床下部が対応しきれなくなると、自律神経も調子をくずし、血流が悪くなって肩こりや頭痛が起きたり、腸の働きが乱れて便秘や下痢をもたらしたりします。また、視床下部は食欲や性欲、五感もつかさどるため、食欲が異常に増したり、いつも使っている香水のにおいを不快に感じたりもします。さらに感情中枢にも隣り合っているので、イライラや落ち込み、不安など心の面にも影響が出るのです。

月経前症候群の症状の現れ方は個人差が大きいといいましたが、強く感じる人と殆ど感じないで過ごせる人がいるのはどうしてでしょう。それには3つの要因「身体の健康状態」「性格」「環境」が関係していると考えられています。性格でいえば、感じやすい、きちょうめん、くよくよ思い悩んでしまう、気を使いすぎるという傾向が多いようです。

毎月決まって起こる不快な症状も、食生活や日常生活の工夫で和らげることが出来ることもあります。月経とは毎月つきあわなければならないので、自分なりの不快症状の対処法を見つけて過ごせればいいですね。

それでもあまりにもつらい場合は一度婦人科を受診してみましょう。症状に応じて治療法があり、ご質問の方も治ると思います。